こんにちは。管理栄養士めぐです☺︎
今回のテーマは糖尿病の食事についてです。実際に調剤薬局で5年間、栄養相談を行ってきた経験からのお話をさせていただきたいと思います。
- 何を食べたらいい?食べちゃダメなものは?
- 食事で大事なこと
- 今日からできる!!〜食事実践編〜
- これならできる!!〜ライフススタイルの工夫〜
- これに気をつけよう!!〜外食編〜
- 運動は必要?
- やってみよう!!〜運動実践編〜
- まとめ
何を食べたらいい?食べちゃダメなものは?
基本的に食べちゃいけないものはないと思っています。もちろん医師からの指示がある場合は別ですが。
大切なことは食べ方や食べる時間、量です。あれもダメ、これもダメでは食事療法も長続きしません。まずは今自分にできることから取り組んでみましょう。
食事で大事なこと
食事は基本1日3回
朝食抜きの1日2食では1回にとる食事の量が多くなってしまいがちです。朝食にしっかりと食事をすることで、昼食、夕食にむけてボリュームも下げることができると思います。
朝食を抜く習慣がついてしまってる人には最初は朝食が辛いかもしれません。(時間がない、食欲がない、食べるより寝ていたいなど…)食べられるものからでいいので、何か口にするようにしましょう。おにぎりとサラダとヨーグルトなど、コンビニの食材をいかしてもいいと思います。
朝食は動くためのエネルギーもチャージできますし、頭と体が起きるので大切です。
空腹の状態が長く続いてしまった後で食事を摂ると、血糖値が急上昇します。食事の間隔は5〜6時間がベストです。それよりも間隔が短すぎたり(最低でも3時間以上は空ける)、長すぎたりしないようにしましょう。
もしくは1回の食事量を少なくしての1日4食以上にするなら、間隔は3〜4時間にしましょう。
ゆっくりよく噛んで食べる
食事の早さで血糖値の上がり方が変わります。早食いは食べすぎるだけではなく、血糖値を急激に上昇させます。
食後高血糖が続くとインスリンの量や働きが低下し、体の組織でブドウ糖を十分に処理することができず、血糖値がなかなか下がらなくなります。また、食後高血糖を放置しておくと、動脈硬化の危険や血管障害が進み、脳卒中や心筋梗塞などを引き起こす恐れがあります。
ゆっくり食べればおいしさも満腹感も得られます!食後高血糖を起こさない食事の仕方が大切なんです。
サラダや食物繊維が多いものから食べる
食べる順番でも血糖値の上がり方は変わります。糖の吸収を抑えてくれるので、食事の最初はサラダや食物繊維が多いものを食べましょう。
食べる時間に気をつける
毎日同じ時間帯に食べるのがベストです。エネルギー摂取時間のタイミングを体が覚えると、ムダな空腹感やストレスを抱え込まないようになります。
夕食はできるだけ就寝3時間前までに済ませ、寝る前の食事は避けましょう。寝ている間はあまりエネルギーを使わないので血糖値が下がりにくくなっています。食べてからすぐ寝てしまうと血糖値が高い状態が続いてしまうことがあるので気をつけましょう。
食べる量を意識する
まずは自分の目標体重を知りましょう。
▷目標体重(kg)=身長(m)× 身長(m)×22
そして1日の必要エネルギー摂取量を知りましょう。
▷エネルギー摂取量=目標体重(kg) ×エネルギー係数
身体活動の程度 | 職種や活動の内容 | エネルギー係数の目安(目標体重当たりのエネルギー量) |
---|---|---|
軽い労作 | デスクワークが多い職種、座位が多い静的な活動 | 25〜30kcal/kg目標体重 |
普通の労作 | 座位中心だが通勤、家事、軽い運動を含む | 30〜35kcal/kg目標体重 |
重い労作 | 力仕事、活発な運動習慣 | 35〜kcal/kg目標体重 |
自分の1日に必要なエネルギー摂取量がわかったら、それに収まるように食事を調整していきましょう。
今日からできる!!〜食事実践編〜
1日1回でも野菜をとる
いつも野菜不足と感じているなら、まずは1日3回のうちの1食だけにでもサラダやきのこ・海藻類などの食物繊維がたっぷりなものをとり入れましょう。週間的に野菜を取り入れられるようになったら、1日2回、3回と毎食食べるようにしましょう。
コツとしてはスープに野菜入れて具だくさんにしたり、レンチンなどでかさを少し減らしたりすると、食べやすいと思います。
野菜ジュースやスムージーは食物繊維が少なく、野菜の代わりにはなりません。また、よく噛むことが食べすぎ防止につながる大事なことなので野菜そのものの摂取がおすすめです。
ご飯は抜かずに適量をとる
ご飯などの主食はエネルギー源になるので毎食適量とりましょう。茶碗を小さめにして意識するのがいいと思います。
またご飯は玄米や大麦を混ぜたり、パンならライ麦パンや胚芽米パンなどにすることで、普段よりも血糖値の上昇が緩やかになりますし、食物繊維の摂取量が増えます。
食事の前にコップ1杯分のお水やお茶を飲む
最初にサラダや食物繊維が多いものから摂取したほうが良いですが、難しい場合はまずはお茶を飲むことを意識しましょう。血糖値の吸収を抑制してくれます。
麦茶や緑茶でもいいと思いますが、最近だと特定保健用食品や機能性表示食品などのお茶やダイエット茶がありますよね。そういったものをたまに取り入れてみるのもいいと思います。
ただし、食事中に水分を摂りすぎると、消化不良を起こすことがあるので一気に飲みすぎないようにしましょう。
油物は1週間に1回にする
油物ばかり食べていた人は1週間に1回にしましょう。
魚はフライよりも刺身や焼き物をチョイス、肉はバラ肉やひき肉よりも、もも肉・ヒレ肉・胸肉がおすすめです。
また主菜の肉・魚・卵・大豆製品はローテーションで選ぶと栄養バランスが整いやすくなります。目安は1食で片手の手のひらにのる量です。
1日の間食を半分にする
間食の1回の目安は200kcal程度です。
今まで食べていたものを一気にやめるのは辛いので、まずはいつもの量を今日と明日の2回に分けることから始めましょう。続けることで、そのまた半分にできたり、食べないことに慣れてきたり、徐々に間食をゼロに近づけられます。
間食には、適量の果物やヨーグルト(無糖)などの乳製品がおすすめです。
その他に、低糖質とされているナッツ類もおすすめです。こちらは人工甘味料・砂糖不使用で、ラカントでコーティングされているナッツで、しっかりと食べ応えがあります。小分けになっているので、ついつい食べすぎてしまう方にもいいと思います。
減塩も心がける
糖尿病の方は高血圧を招きやすいため、減塩をこころがけましょう。
だしや食材のうまみをいかしたり、酸味・香辛料をなどで味にアクセントをつけたり、漬物、練り物、汁物の汁を減らしたり、しょうゆやソース、ドレッシング類はかけるよりつけたりなど…!減塩方法はたくさんあります。
これならできる!!〜ライフススタイルの工夫〜
毎日体重記録
毎日体重記録することで、自分の健康管理により意識して生活できます。
食べすぎた?運動不足?ちょっと減った?!など、自分のモチベーションにも繋がると思います。
必要な食材は必要な分だけ買う
食材を多く買うと多めに料理してしまい、多めに食べてしまいがちです。
また無駄にコンビニなどによるとついついお菓子やジュースを買ってしまうと思います。必要なものがない時は寄らないようにしましょう。
週1回は休肝日を作る
お酒はダメではないですが、食事の摂取エネルギーが過剰になることがあるので、適正量を守りましょう。
糖分の少ないアルコールなら大丈夫と思いがちですが、一般的にはアルコール度数が高いほど高カロリーなことが多いです。
目安としては日本酒なら1合、ビールなら中瓶1本、ワインや酎ハイは2杯が適量です。
毎日のんでいる方はまずは1日でも我慢できる日を作りましょう。
たばこが吸いたくなったらカロリーゼロのアメ
たばこは交感神経を刺激し、血糖コントロールがうまくいかなかったりインスリンの働きを悪くする可能性があります。できるだけ少ない方がいいですよね。
なかなかやめるのは難しいと思いますが、決心したら一気に実行しましょう!
これに気をつけよう!!〜外食編〜
居酒屋でも野菜から先に食べる
外でのお酒を飲む機会が多い方もいると思います。 付き合いの回数を減らすのが1番いいですが、どうしてもというときは野菜を先に食べましょう。
注文はサラダや酢の物からです!
定食など品目の多いものを選ぶ
麺類や丼ものは炭水化物のみになってしまうのでできるだけ控えましょう。外食の時は単品よりも、主食・主菜・副菜が揃っているような定食がおすすめです。
コンビニでも糖質+食物繊維を意識する
コンビニやテイクアウトのものを食べるときもおにぎり+パンなどの糖質+糖質の組み合わせはNGです。 主食は1品にして野菜や海藻類・きのこなどがしっかり取れる副菜を必ず添えるようにしましょう。
糖質の量を適度にし、おかずになるものも組み合わせて、たんぱく質がとれる食品と野菜を一緒にとることがベストです。
運動は必要?
運動はもちろん、したほうがいいです。運動習慣をつけることは食事療法と同じくらい大事なことです。
運動をすると血液中のブドウ糖がエネルギー源として使われ、血糖値が下がります。定期的に運動をすることでブドウ糖や脂肪分をエネルギーに変えやすくなり、インスリンの量を節約できるために膵臓の負担が軽くなります。また運動によって脂肪が燃やされますから体重や内臓脂肪も減少します。心臓や肺の働きが強くなり、ストレス解消も見込めます。
食事療法だけを行うよりも、同時に運動をした方がいっそう効果が上がります。
やってみよう!!〜運動実践編〜
週1回、30分の散歩をする
最初は週に1回、ゆっくりと30分くらい散歩するだけでもOKです。体が有酸素に慣れてきたら、辛くない程度に時間を増やしたりスピードを上げてみたりしましょう。
歩いた距離をメモしたり、歩くルートを変えてみたりなど、楽しみながらやることが、長く続けるコツです。
2階分はエスカレーターではなく階段を使う
外出の時、2階分ならエスカレーターではなく階段を使って上り下りしてみましょう。自信があれば3階分に増やしてみましょう。
膝や足に無理のない範囲で、疲れている時は1階分でもOKです。
週3回室内で足踏み運動を10分間する
これだけでも結構疲れます。歩いたり走ったりする時間がない、外に出るのはおっくう、そんな人は室内で足踏み運動を週3回、1回10分以上から始めましょう。
自分のペースで少しずつ増やしていきましょう。
バスや電車は1〜2駅前で下車して歩く
仕事や外出先からの帰り道、バスや電車を1〜2駅前で降りて自宅まで歩いてみましょう。
早く帰れる日や天気の良い日で構いません。いつもと違う風景に、自分の好きな音楽やラジオを聴きながら歩くのは気分転換にもなります。何より歩き癖がつきます。
少し離れたスーパーまで徒歩や自転車で
時間に余裕がある時は、散歩がてら少し離れたところまでお買い物に行くのもいい運動になると思います。
仲間と楽しく運動
1人ではなかなか続けられない運動も一緒に楽しむ仲間がいれば続けられそうですよね。 ウォーキングに誘ってみるのもよし、仲間が楽しんでいるスポーツに参加させてもらうのもよし。
急な運動で怪我だけはしないように、ストレッチは入念にしましょう。
まとめ
ここまで読んでみて、自分にもできそうなことはありましたか?
実際に調剤薬局で栄養相談をさせていただいていた患者さん達は自分自身で目標を決められていました。糖尿病の食事についてのポイントや提案は一緒にしましたがその中でこれをやってみた、これができた、続けていたら検査結果が良くなった、というお話をたくさんお聞きしてきました。
自分ができそうな範囲で無理をしすぎず楽しく続けることが大切です。頑張りすぎて、嫌になってリバウンドを起こしてはもともこもありません。頑張った自分へご褒美なども与えながら少しずつ頑張っていきましょう。
また負けそうになったらわたしのブログを見にきてくださいね☺︎